「ちょっと大きな爬虫類を飼いたい」
「フトアゴヒゲトカゲって飼うの難しいかな・・」
大きい爬虫類って恐竜味が溢れていてとっても魅力的ですよね。
でも大きい爬虫類ほど飼育が難しいのでは・・と悩んでいる方、いると思います。
フトアゴヒゲトカゲはトゲトゲした見かけによらず温和な性格で、初心者でも比較的飼育のしやすい爬虫類なので、大きい爬虫類の飼育をトライしてみたい方にはおすすめなんです。
この記事では、飼育方法と注意点、気になる初期費用などご紹介いたします!
フトアゴヒゲトカゲについて知っておこう!

お迎えの前に、フトアゴヒゲトカゲがどんな生き物なのか、理解を深めておきましょう!
フトアゴヒゲトカゲってどんな生き物?
野生下ではオーストラリアの広い範囲に生息しており、昼行性のトカゲになります。
威嚇するとき、下あごを黒く発色させて膨らませる様子が、あご髭に見えることから「フトアゴヒゲトカゲ」と名付けられました。
トゲトゲした体で一見いかつい姿ですが、実は温和な性格でハンドリングもできる爬虫類です。
大きさ
ベビーだと15~20センチ程度。アダルトになると全長で40〜50センチ程の大きさで、メスよりもオスの方が一回り大きくなる傾向があります。
成長スピードも早く、ベビーからヤングアダルト(20〜40センチ)まではあっという間に大きくなり、生後12ヶ月程度でアダルトに成長します。
可愛いベビー期間は短く貴重なので、月齢の早い子をお迎えしたくなりますが、生後3ヶ月に達するまでは突然死など、飼育が非常にシビアなので、初めてお迎えする場合はヤングアダルトから、または生後3ヶ月を超えた生体をお迎えしましょう。
寿命
平均寿命は、8〜10年程度と言われています。
メスは無精卵を産むこともあり、卵詰まりで卵管炎や腹膜炎を引きを起こす可能性があるため、一般的にメスよりもオスの方が寿命が長い傾向があります。
8〜10年というと爬虫類界では短いように感じますが、病気なく健康体であれば10年以上生きてくれることも!
ライトの当て方を生体に合わせて工夫したり、手狭に感じさせないようケージを広くしたりなど、気をつけることは色々ありますが、大切に飼育することでより長く一緒に過ごすことができますよ^^
特徴的な行動
ライトの下でぼーっとしていそうなフトアゴヒゲトカゲですが、様々な行動を見せてくれます。
飼育下で見れる行動をご紹介しますので、お迎えした際に意識して見てください^^
顎を黒くする
冒頭でも少しお話ししましたが、名前の由来にもなっている下あごを黒くする行動です。
下あごを黒くするのは興奮状態や威嚇などで、オスメス共に黒くしますが、メスはグレーから黒に近い色、オスは真っ黒に近い色になります。
首を傾げる
ん?と首を傾げる仕草、フトアゴを飼育しているとよく見られる行動です。
興味があるものがあったりすると、このように首を傾げて反応を示します。
視野を広げてよく見ようとするための行動ですが、「なーに?」と言っているようで可愛いですよね!
口をあける
パカっと口を開けている表情はなんともいえない可愛らしさがありますよね。
口を開ける行動には、体内の温度管理をする役割をしています。
バスキングスポットなどで口を開けて、体内に熱を取り込んで体を温めたり、逆にスポットから離れて体内を冷ましたりと体温調整をしています。
バスキングスポットから離れてずーっと口を開けている場合は、ケージ内の温度が高い可能性があるので、温度計をチェックして調整してあげましょう。
ボビング
頭をブンブンと上下にヘドバンする行動で、オスによく見られる威嚇行動です。
先ほど紹介した顎を黒くする行動とセットに見られることが多いです。
つまりめちゃくちゃ喧嘩売ってます。
ただボビングは威嚇だけでなく、オスは求愛行動にも見られることがあるので、メス相手に必死にブンブン振っていれば求愛の意味の方が強いです。
アームウェービング
クロールのように後ろから前と、ゆっくりと腕を回す行動です。
あまりにゆっくりとなだらかに回すもんだから、見てるととても可愛い仕草の一つですよね(^ ^)
基本的に敵意はないと言われていますが、実はいろんな意味があるんです。
「あんたがそこにいるの気づいてるぜ〜」という感じで、認識・警戒の意味が込められている場合もあれば、自分より上だと判断した相手に降伏する意味で行動する場合もあります。
また、メスならボビングで求愛された時に、OKの意味で腕を回すことも。
状況によって意味の違った意思表示をしますが、一般的に見られる行動なので、あまり過敏にならずに見守っていきましょう。
フトアゴヒゲトカゲ飼育のための初期費用とアイテム紹介!
それでは、いよいよ気になる初期費用をご紹介します!
フトアゴヒゲトカゲをお迎えするにあたってかかる費用は、生体含めて以下となります。
生体 | 約30,000円 |
ケージ | 約30,000円 |
バスキングライト | 約1,000円 |
紫外線ライト | 約2,000円 |
保温器具 | 約1,500円 |
ソケット | 約2,000円 |
水入れ | 約1,000円 |
床材 | 約1,500円 |
餌皿 | 約500〜1,000円 |
シェルター | 約2,000円 |
温湿度計 | 約1,000円 |
合計で総額70,000円超え・・・
数字だけ見るとギョッとしますが、これらは最初のお迎え時のみかかる費用。
ライトは寿命があるので買い替えのタイミングはありますが、ほとんどのものは壊れたりしない限りは、ずっと使用できるものです。
各アイテムごとに詳しく紹介いたします。
生体
約30,000円と提示しましたが、生体はモルフによって金額がかなり変わります。
ノーマルの子であれば、大体10,000〜30,000円程度ですが、レッド系やゼロなどのモルフであれば高額である場合が多いです。
ちなみに我が家のフトアゴはハーフダークレッド(ベビー)で金額は25,000円程度でした。
通常金額の高いモルフでも、ベビー期であれば手を出しやすい金額の子もいるので、ショップやイベントなどで運命の子を探してみてください^^
ケージ
揃えるアイテムの中で、ケージは一番高額なんです。
おすすめは爬虫類グッズで有名な、GEXエキゾテラのグラステラリウム9045です。
まだ小さいうちから飼うと大きく感じますが、フトアゴはあっという間に成長するので、大きいものを用意することをおすすめします。
うちはとりあえずで小さいものを使用していたのですが、本当にあっという間で、大きいものを最初から購入しておけば良かったと思いました^^;
通販やショップで買うのも良いですが、爬虫類イベントでケージのアウトレット商品が販売されていることもありますので、ぜひ機会があればイベントも覗いてみてください。
バスキングライト
フトアゴヒゲトカゲは自分で体温調節をすることができないので、自然界では太陽の熱で体を温めて調節しています。
バスキングライトはいわば太陽光の熱の代わり。フトアゴの体温調節には欠かせないアイテムの一つです。
バスキングスポットの温度は、40度前後あるのが好ましいでしょう。
ライトを選ぶポイントですが、ワット数によって照射距離やケージ内の温度が変わるので注意が必要です。
また、ケージの大きさ、ライトの高さによって温度は大きく変わります。
小さなケージにワット数の高いライトをつけるとケージ内が熱くなりすぎるので注意しましょう。
我が家はお迎え時、バスキングと紫外線同時照射のライトを使用してましたが、ケージの大きさに比べてワット数の高いライトを設置してしまい、ケージ内の温度が爆上がりしてました・・
すぐにワット数の低いものに買い換えましたが、数時間でも熱いライト浴びせてしまい、かわいそうなことをしたなと猛反省です・・・
ちなみに我が家ではライトの設置場所とスポットまでの距離が近いので、ワット数低めのものを使用してます。
パッケージの商品説明欄に照射距離などの記載があるので、購入時は参考にしてみてください。
紫外線ライト
フトアゴヒゲトカゲは強い紫外線量の地域に生息している生き物なので、飼育下でも紫外線は必須です。
また、紫外線を浴びて体内でビタミンD3を作り、骨を形成するので、紫外線ライトはマストアイテムなんです。
フトアゴヒゲトカゲにおすすめの紫外線ライトのUVB量は150です。
ライトから離れるほど紫外線(UVB)の照射が少なくなるので、ライトまで距離があるようであれば、照射場所に足場を作ってあげましょう。
保温器具
フトアゴは寒さに弱い生き物なので、冬の時期には保温器具を設置してあげましょう。
地表面というよりもケージ内全体を温める必要があるので、パネルヒーターより、保温球などがおすすめです。
保温器具の種類は多岐に渡りますが、使用していて良いと実感した商品をご紹介します。
セラミックタイプの保温球
赤外線放射の保温球は赤い光が出ますが、セラミックは光が出ない保温球です。
セラミックのいいところは球切れしないので、気づいたら切れていた!なんてこともないので安心です。
暖かさも申し分なく(ワット数には注意)、我が家のフトアゴは保温球の下でポカポカ温まりながら寝ていますよ^^
暖突(みどり商会・レップジャパン)
天板に貼り付けて使用するタイプの保温器具です。
うちで使用しているフトアゴケージが、天板につけれないタイプだったので、レオパのケージに使用してますが、大きいサイズのものを使用すればフトアゴの広いケージでも問題なく使えるアイテムです。
少々値段は張りますが、しっかりケージを温めてくれる商品です。
GEX ヒーティングトップ
天板の上に設置するタイプの保温器具です。
こちらのアイテムも暖突と同様にケージ全体を温めてくれます。
ただ、プラスチックケースのケージを使用していたり、天板が金網タイプでないケージなどでは使用できませんのでご注意ください。
ソケット
ライトと保温球に使用するソケットですが、選び方には注意が必要です。
バスキングライトはかなり熱を持ちますので、ソケットがプラスチック製のものだと溶ける可能性があります。
なので、なるべくコストは抑えたいところですが、ソケット(特にバスキングライト用)は爬虫類飼育用のソケットを使用することを強くおすすめします。
水入れ
実はフトアゴヒゲトカゲは視力があまり良くないので、水入れを置いておいても、水と認識できない場合が多いんです。
じゃあ水入れを入れておいても意味ないのでは?と思うところですが、水面をゆらゆらゆらしてあげたり、毎日同じところに綺麗な水を置いておくと飲んでくれるようになります。
スポイトで毎日あげてもいいですが、つい忘れて脱水症状・・なんてことになると大変・・
いつでも飲めるように水入れは設置しておいてあげましょう。
バスキングスポットに近いところに置いておくと、すぐに干からびてしまうので、スポットから一番遠いところに置いておくと良いです。
床材
床材の種類も多岐に渡りますが、代表的な床材を3点ご紹介します。
ペットシーツ
コスパ重視で考えるのであれば、圧倒的にペットシーツがおすすめです。
誤飲等もなく安心して使用できますし、メンテナンスについてもそこまで手間ではなく、ホームセンターなどで気軽に手が入る点もおすすめポイントですね。
砂系(サンドタイプ)
ペットシーツではレイアウトが物足りない・・・という方には砂系の床材がおすすめ。
排泄物の処理などメンテナンス面は楽ですが、餌に砂がついたり、床材の交換作業が少々手間がかかるなど、デメリットがあります。
デザートブレンドクラシック・ウォールナッツサンド
クルミの殻を砕いた床材で、デザートブレンドクラシックは粒が細かめでより砂に近く、ウォールナッツサンドは粒が粗めなのが特徴です。
原料がクルミの殻なので誤飲をしても体内で分解されるか、糞として排泄されるため、腸閉塞の確率も低く安心して使用できます。
糞尿の処理も、排泄した部分を砂ごと取ってそのまま燃えるゴミで処分できるので、個人的にはメンテナンスがしやすいと感じました。
餌皿
餌皿は食べやすい浅いタイプのものを用意してあげましょう。
生き餌を餌皿に入れてあげる場合は、お皿の縁が返しになっているものを用意してあげると、生き餌が逃げることを防ぐので安心です。
シェルター
フトアゴに落ち着ける場所を作ってあげましょう。
また、過剰な紫外線から身を守るためや、温度勾配を作るためにもシェルターは置いておくと良いでしょう。
シェルターはバスキングスポットとしても使用できるので、1つ置いてあるといろんな役割をしてくれます。
我が家もシェルターを置いてましたが、なんと小さいものを買ってしまったため、すぐにサイズアウト・・(涙
今は大きめの流木を入れてますが、シェルターの購入を検討されるのであれば、大きいものを用意することをおすすめします!
温湿度計
飼育にあたって、温湿度管理はとっても重要。
ケージ内に必ず設置して、管理を徹底しましょう。
設置位置はケージ内で最も温度が低い、バスキングスポットから一番離れた場所に置きます。
ケージ内の温度は、日中の温度は30度前後、夜間は25度前後になるように管理するのが好ましいです。
まとめ
最初の初期費用はそこそこかかりますが、爬虫類初心者でも比較的飼育のしやすいフトアゴヒゲトカゲ。
適切な飼育環境と食事を提供することで、長く健康に過ごすことができます。
いろんな表情を見せてくれる可愛らしいフトアゴヒゲトカゲと、素敵なフトアゴライフを送ってみませんか?
また別の記事で餌や飼育環境についてもお伝えしていきたいと思います。
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